ガンホー株はなぜ上昇するか?

1.好業績
ガンホーの業績が良い理由はβ版の頃に開発費用を計上してしまっているために課金後は費用といっても保守・メンテナンス費用が大半となる。その為高収益となる。
これは次のオンラインゲーム開発まで変わらない為2003〜2004年度までは高業績が続い た。
 
上図
課金の始まる前の02年度までは当然赤字であり、債務超過に陥っていた。
今後も多額の開発費用をかけない限り、接続人数がこれから徐々に減るまでは好調は続く。
ただしどう考えてもROの一発屋である為中期的には損益は低下すると考えられる。

2.少ない上場株式
 これは新規に上場する株式会社のテクニックと呼べるものだが、元々高収益事業の会社が上場する際には人気となることをあてこみ、最初に上場する株式数を絞り込み、人気株として急騰させてから徐々に売却を進め、上場利益を確定するという手法である。これは利益確定をしないという選択肢をとっても担保としてさらに資金を借入することも可能である。もっともソフトバンクインベストメント(SBI)が親会社であることから分かるようにいずれ1/3ほどは利益確定して資金回収するものと思われる。TVに出演するようになったので分かり易いと思うが、あの北尾社長の利益への貪欲さは並ではない。
これはここ数年で良く用いられる手法であり、資金的に余裕のある会社が知名度向上を狙って上場する際に良く行われる。今回は16千株中1,000株のみ上場した為急騰した。

3.分割期待
元々上場時も株価は1,400,000円と単価が高かった。
これが20百万円を越えるまで上昇したもう一つの原因は分割期待である。
株式を分割しても価値は変わらないが、少ない投資額で購入可能となるため買われやすいとされている。現実には分割の際に人気化し一次的に需給が締まることから株価上昇へ繋がる。

ではここまで理解した上でどうして私は投資しなかったのか?
1.最初にガンホー株のIPO抽選で外れた。
2.初値が420万円とIPO価格の3倍となったことから購入意欲が失せた。
3.利益率・成長率では説明のつかない領域に入ると「チキンラン」状態に入るため、購入への決断は躊躇われた。
(株価は最終的に今期利益と中期的成長を反映する価格に収斂することから、分割決定時などの達成感を得られた時、株価は下落を開始し、適正価格で収斂する。)
こうして結果的に投資機会を逸したわけだが、新興企業への投資はハイリスクハイリターンの好例であり、株式投資が投機になっているとはいえ興味深い事例である。