B社株主総会

namihei02005-05-26

株主総会なるものに初めて行ってきた。
投資歴が結構あるにも関わらず行ったことがないというのは超短期投資をしているわけでもないのに投資家として問題があるといわれるかもしれないが、単に去年まで三重在住であった為、株主総会の時期に上京するには金がかかるというのが原因である。交通費でないし。
初めての株主総会をB社としたのは、よく考えたら大企業の総会より発言がより明確で面白そうだし一応自社製品もお土産にもたせてくれるからいいかもしれないとも思っただけである。特にでじこのグッズが欲しいわけでもないのに行ってもしかたない気はするが。

その1 会場
会場は練馬産業会館。そう地元民ならわかるだろうが本当に商工会議所も使う公民館的なところである。
去年までは体裁を整える為に立派なところを使用していたが(写真は実は去年の物)、さすがに自社の財政状況を少しは理解したらしい。
私は早めに着くようにしていたが、たまたま腹痛をおこしたために結局5分前の到着となった。
それでも39番の番号札。いいのか…?と思ったらどうもランダムだったようだ。実際後でカウントしてみると出席者はおよそ80名ほどであった。株主1,500名超のうち総会参加者と郵送で意思表示した人が300名いないというのもこの会社の株式を保有している人間があまり経営に興味がないことがよくわかる。ちなみに株主であるはずのゆん先生は当然当日はいらっしゃらなかったw 株式の過半数をタカラが押さえているからほとんどセレモニーだしね。

その2 概要
株主総会は大きく分けて
1)既出の株主総会開催通知の内容説明
2)質疑応答
3)議案採決
があり、総会後に取締役会を開催して新会長・新社長を選任し、経営報告会を執り行う方式となっている。

総会屋でもいたら1)の説明の間に野次や怒号で溢れるほど、この会社の経営環境は悪化しているのだが、基本的にこの会社にとって総会屋はうまみが全くない(金もない)のでまずいない。
というわけで赤字決算を粛々と説明するのだが、いい加減イラク戦争や天候のせいにするのは止めた方が良い。それは億単位での損益悪化の根本原因ではない。カードゲーム後の成長戦略に失敗した為だ。無駄なことを。

で、案の上2)質疑応答では紛糾した。
最初はおとなしかった。
「三期連続赤字でなんで法人税等を払っているのか?」(法人事業税の外形標準課税の為)とか
「セグメント別の売上だけで無く営業利益もだせ!」(現在費用配分等を検討中、上期中に対応)とか
「店舗部門の比重の方が高いのにどうして説明は本社部門のゲーム開発やイベントに終始しているのか!」(…回答していなかった気がする)とかだったのだが(おとなしくないかw)
話がゲーム開発中止損の話に入ると木谷社長の言葉も歯切れが悪くなる。
「当社はまずPCでゲームを発売してからコンシューマー機へ移植をよく行いますが、デジコミュニケーションの移植を行おうとした際にこれ以上の費用をかけても損失を拡大するだけと判断しました」ととうとういう羽目に。いや確かにPC版のデジコミュニケーション売れてなかったがw
確かに61百万円開発中止損なら止めた方がよいという判断も納得できる。一万本売れないこと確定していたし。
続いて「現在開発中の他のタイトルにつきましては全て発売します!」と発言した途端、
ブシロードは原作者も亡くなり発売時期も全く発表されなくなった状態だがまだ開発するのか?」
という厳しいつっこみがw すると社長涙ながらに、
ブシロードは原作者の吉田先生がトリニティブラッドと同時並行して作成し、その過労が祟り心筋梗塞で急逝され、葬式の際にも死に化粧まで私も加わって遺族にもブシロードさえ作らなかったらこうはならなかったとなじられたが私は本人の遺志をついで立派な形で世に出すつもりです。時間はかかるかもしれませんが」
などと言う。心情的なことでなく経営的にどうかという質問なのだがその辺りはどうなのかは答えなかったのだが質問者は萎えてしまったのか質問を終えてしまった。

もう一つ笑えるのは株主対策である。
なんと上場来保有している株主の発言。
「久しぶりに上場初値を上回ったが、業績を伴ったわけで無くガンホーにつれ高した際にジャスダックのマーケットメイキングの為に(ストップ高がない)急騰しただけである。投資家としてはこのような株式には投資し難い。株価対策を行っていただきたい。」
さすがに980円をつけたことに関しては社長も「三期連続赤字の当社にとっては過分の株価で、今後この株化にふさわしい収益をあげていきたいと考える」と照れ笑い。ちなみに株主は失笑していた。
他の株主による株主対策の話は我田引水的なものだったので放置だ。
ちなみに「株主優待を充実しましょう!」と「ゲームショウなどに株主をプレスデイにチケット配布して自社ゲームを知ってもらいましょう」とか言う。そんなことは儲かってから言うべきだ。株価がそもそも実力以上で有る昨今株主優遇政策をとる必要はない
利益規模を考えれば。増資するなら別だが。

3)議案採決では利益処分案が当然あるわけだが、累損を抱える赤字会社がタコ配するわけもなく、
「今期も無配とさせていただきます。申し訳ありません」と取締役一同謝罪会見の体で起立してお辞儀。いやー
「これがみたかったんですよ!」実物が見られて非常に満足だ。
で、取締役の選任で出てくるタカラの元オーナー佐藤氏登場!かと思ったら挨拶しただけで総会のみで帰ってしまった。株主のタカラとして株主総会に出てきただけかのようであった。で、取締役に再任された吉田氏が社長に昇格する内示を再度連絡。木谷社長は新しく会長に。4月公表の結果とは言え三期連続赤字の経営責任を求める声は無かった。私財を会社に寄付したからだが絞りきったら言われるようになるだろうか?ともあれ途中の質疑応答以外はシャンシャン総会だった。ていうか今株持っているなら文句言わないかも。

その3 経営報告会
株主総会終了後、10分休憩の間に取締役会を開催して木谷会長、吉田社長が誕生した。とりあえず職掌区分についての話を一頻りしていたが、噛み砕くと「イベント・カードゲーム・渉外担当」木谷会長、店舗・アニメ関連担当吉田社長ということなので…ひょっとして会長遊んでくらすのか?
「声優と日夜楽しく過ごします」と言っているよーに聞こえたのだが。
しかも今後の事業改善計画がまた見通しが暗い。アニメの償却費負担が減少すること以外には特に今後の損益改善見こみはない。先期は棚卸資産の廃却費用増加の為に粗利率の悪化が起こった、と説明していたが、それは今期も起こることで改善見こみはない。なぜならば商品も製品も構成に大差がないからだ。もっともさすがに棚卸資産の毎期の巨額の廃却にうんざりしたのか、木谷会長株主総会の時に「100%返品可能な書籍の販売に昨年度は力を入れた結果30%の販売増に繋がった」と言ってはいた。他の売上は下がったと言うことだが。やはりとらのあなの快進撃が羨ましかったのだろう。また、店舗の展開がアニメイトとほぼ同一であっても集積力の格差が大きすぎる。その場で計算した結果、今期損益見込は贔屓目に見て▲240百万円ほどの純損失と思われる。ゲームソフト売上が落込んだ場合にはこの限りで無く、更に悪化する。

最後に
12:20頃に経営報告会も終了してお土産を貰って帰った。相変わらずでじこグッズだが、株主も喜ばなくなったグッズではどうにもならないかもしれない。ちなみにこの日はまっすぐ帰って株価を眺めた。