B社中間決算発表

10月5日付でB社の債務超過転落が報道されたが、この日めでたく中間決算発表となった。


発表内容によると2005年8月末の連結債務超過額は291百万円、負債総額は3,852百万円
・・・こうかくと倒産したようにみえるので訂正、有利子負債は2,908百万円。
しかし中間期末に棚卸の評価減348百万円、廃却損41百万円を行ったのに2005年2月期末に対して棚卸資産が344百万円しか減っていないのは一体・・・?本業で棚卸の削減は結局進められないようである。1年以上2年未満滞留の在庫は本当に不良資産であった証拠でもあるが。
ただ、減損会計を適用して固定資産の一部を損失計上するのはかまわないが、元々固定資産を多く抱えているわけではないので(自社所有ビルでの営業でない)損失計上した額も少なく、為に減損会計を適用しても翌期以降の損益がそれほど改善するわけではない。収益を生んでいない店舗は早期閉鎖する以外には手段がないのである。
そしてオンラインゲームの制作費用が前渡金で計上されているため(前渡金合計では71百万円増の 他にもアニメ・ゲーム制作費用含入)早急にβ版を正式稼動させて課金しないと会社がもたないのではないか。もっとも親会社のタカラが借換融資に応じているので(グループファイナンスと称してタカラの金融子会社より借り入れている)、当面資金繰りに困って倒産する心配はない。
しかし仮にB社が会社更生法の適用を申請したりすると、タカラは社債を除く有利子負債の大半2,518百万円と出資額760百万円(発行済株式の51.3%)が損失となるため、インデックスの元でトミーとの合併を控えているタカラとしては、再建断念は容易に決断できることではない。ただ私が仮に会計士の立場として指摘するならば(実際は私は会計士でないから知ったことではないが)

1.回収可能性を考えてタカラ金融子会社単独では貸倒引当金を計上することを要請
2.結果タカラ本体で金融子会社株式の評価損の計上を決定
3.タカラ単独決算の悪化(連結決算上は既にB社の損益を反映しているので連結調整で変化なし)

ということが起こり、結局タカラのバランスシートが痛んでいることが発覚してしまう。
タカラ自身2005年3月期に147億の損失を計上しており、経営体力が弱っている。ちなみに2005年3月期の連結資本は8,964百万円であり、余裕は全くない。タカラ本体が今期にV字回復しないならば、貸倒引当金を計上した上でB社を売却することを視野にいれるには余りに時期が悪い。一体これからどうなるのか?劇的な動きも想像され興味深い。