ラノベ読んで

ガンパレードマーチ 九州奪還1読了

長年お付き合いしている榊版ガンパレも読み始めて幾星霜。

ガンパレードマーチ通称ガンパレは2000年に発売されたゲームだから付き合いはすでに8年に及ぶ。
ガンパレは当時AIのルーチンの革新性でゲームの完成度の高さを誇っていたが、ユーザーはシナリオの自由度の高さと難易度を高くにも低くにも調整しながら楽しめるゲームとして当時としては既に珍しくなった「長く遊べるゲーム」だった。
なにせただのギャルゲーとして恋愛を楽しむ事もできれば、靴下フェチの変態集団「ソックスハンター」にもなれるほど自由度は高い。
最前線にいるはずだが。

シナリオ:
第二次世界大戦も末期の1945年、人類は意外な形で人類同士の戦争を終えた。天敵「幻獣」の出現である。
突如出現した幻獣は異世界より現れ体内に蓄積されたエネルギーが尽きるまで人類を攻撃し消滅するという正体不明の敵であり、人類は50年の戦いの末にユーラシアを失陥、南北アメリカ大陸と南アフリカオセアニア・日本と残された少ない地域に人類は生存圏を縮小した。
そして1999年、人類は幾度かの生存をかけた戦いに突入する。熊本で行われた八代会戦である。日本は自衛軍の総力を挙げて迎撃し、辛くも勝利したが軍のほとんどを失う壊滅的打撃を受けた。そして政府は再び学徒動員を行う。学兵と呼ばれた彼らは自衛軍の復興まで数年戦い捨石となることを期待された。このゲームはそんななかの学兵のあぶれもの部隊が活躍する物語。

この小説はその中のシナリオとしてもかなり条件の厳しい、敵勢力である幻獣の勢力がかなり強力な世界。
幻獣は気温が上がると戦いを止めることから例年5月上旬で戦争は休戦期に入ることが知られていたが、この年は違った。
休戦期直前に幻獣が大挙して総攻撃に移ったために戦線は崩壊し人類は九州からの撤退を決意、九州を放棄した。
そして翌年、関門海峡を渡って幻獣が攻め込んでくると、自衛軍は岩国を最終防衛拠点として地下壕と対空ミサイルを装備した歩兵を組み合わせて幻獣と戦い、これを退けた。これが前巻まで。

今回はその後の九州奪還に向けた戦い。
…日本では戦争は華々しいものというより大きな犠牲を出しつつも防衛に成功という表現が尊ばれる傾向でもあるかなと思うほどにすごく禁欲的な戦いぶり。この方が現実的に思えるから楽しい。