銀行巡り

残りのGW中は実家で過ごすことになっているが、スケジュールは結構埋まっている。
今日は父の退職金を預ける銀行をどこにするかで銀行巡りをしていた。

銀行が退職金の預金獲得を狙って微妙な金利競争を行っているので、微妙な差がどれほどのものか検討していた次第。
まぁその後はつぶれないだろう銀行に集中するか、1,000万円のペイオフ範囲内にするかの検討となる。
なにより問題なのは実は円で持ち続けてよいか?という検討である。
この20年は基本的に円高基調だった。金利は下がり続けてゼロ金利になってから変動がなくなった。
だから円高が続くことから円建で預金しておくことは正しいといえたし、なにより株式市場が低迷を続けていたのでこの戦略は資産を減らさないことにおいて正しかった。これが逆に動くことがあるのではないかとはいえないか。

この20年で明らかに製造業の海外移転は続き、競争力の源の労働力もゆとり教育でかなり能力低下した。
電機業界の海外移転は最終段階に入っているが、自動車業界・精密機械・工作機械・建設機械業界がどうなるかで製造業の生き残りが決まる。
製造業が輸出しなくなったとき、日本の円高局面は終焉に向かい、資源のない日本は経常収支が赤字になるとなかなか円安局面から変えられなくなるだろう。そして製造業は一旦失われると周辺の下請け加工産業も失われることから復活がかなり難しい。民主党は産業育成を欠片も理解していないからこのありさまだが、この後の政権もまともな政策運営は難しいだろう。つまり円高が終焉に向かう時がくる可能性はかなり高いのである。
その時、円安に伴う輸入価格の高騰でインフレの時代がやってくる。インフレになれば自動的に金融は引締めに向かい金利水準は上昇するが、すぐに国家財政破綻の危機がやってくる。国債・公債の金利が上昇したとき、利払いができなくなるのは非常に速いからである。簡単な話で1,000兆円の借金があれば1%の金利なら年間10兆円ですむが4%に上昇すれば年間40兆円になる。日本の国家予算の規模は100兆円で国債以外の歳入は半分しかない。借金の利払いで収入の大半が消える家計の破綻が自明なように、財政破綻もまた自明である。

ハイパーインフレにならずとも巡航速度のインフレでも日本の国家財政は耐えられない。つまり永遠にゼロ金利を続けないと破綻する。インフレになっても金利を上げない選択すら必要かもしれない。
というわけで、外貨預金の可能性を模索した。しかし銀行は高金利の外貨は勧めてもその他は勧めようとしない。
零点である。結局実家では円建定期預金が採用された。
為替相場が動きそうになろうと、資産を海外逃避させる行動を日本人はなかなかとらないだろうことはわかっていたが、我が家もまた同じだ。気長に勧めることとする。