NPC決算発表のこと

NPCが先日まさにクソ決算を発表していたので面白かったから分析してみた。
まずは少し遡ってネタ企業を見てみよう。

1.2012年8月期決算
キャッシュフロー

一番笑えたのはこの説明である。資金改善を行ったと強調している。しかしその内容はひどいもので、
1.売掛金減少→売上が減ったから
2.前受金減少→受注が減ったから
3.仕掛品(受注分)減少→受注できていないから仕事がないし〜
4.仕掛品(ユニット在庫)と原材料の合計では目標削減額に未達

ダメじゃん!

・新規引き合い増加
引き合いは増えているし、引き合い残高が増えていると強調。
しかしなぜ引き合いで説明するのか?受注したという確実な契約が必要だろう。
単純な話、契約に至っているのは相変わらず増えていないということなのだろう。

どちらにしても太陽電池市場は現在メーカーの過剰生産能力が問題になっており、日本での再生可能エネルギー開発促進策ぐらいしかプラス要素はない。実際ドイツでも補助を打ち切っていくと世界最大の太陽電池メーカーにまで成長していたQセルが倒産した。最後に残るのはダンピングし放題の中国企業のサンテックである。

問題はこのNPC太陽電池製造装置のメーカーなわけだが、製造装置のメンテナンスがあまり必要ないことである。
本来製造装置ならある程度保守点検で稼ぐという手段がとられるのが普通。しかし決算を見る限りではほとんど装置販売しているだけである。だから売上が急減した時に基盤となる保守点検売上が存在しないので収入が途絶することになる。

次に今回。
2.平成25年1Q決算
以下のようにわかりやすく致命的なまでにダメダメである。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120121221051913.pdf

なにこの売上?引き合いが増えているから受注が伸びていくんだ!と主張していたのに直後にこれである。
全く言っていることが達成できないことが明示された結果である。
一つだけ好転しているのが前受金が2億ほど入ってきていること。これによって少し受注が伸びたかもしれないと推定される。

3.結果
この会社、実のところ現預金8億残っているものの有利子負債残高は51億で赤字続き。はっきり言えば銀行が貸し渋りを通り越して貸し剥がし
行いたくなる会社だが、残念ながら既にかっぱぐ資産もない。
おそらくこの後にあるのは再びのMSCB発行による実質増資なわけだが、会社存続がそれでも可能なのか?というとかなり疑問な、そんな会社である。