TOB

バンナムHDバンダイビジュアルバンダイネットワークにTOBをかけた。
親子上場の是正の為という理由は表向き正しいが、そもそも株価を低迷させてからその株価にプレミアムをつけて買うから少数株主は応じろとはふざけた話だ。ディスカウントキャッシュフローによる計算など予想収益をどうするかによっていくらでも適正株価をいじることなどできる。
納得いかないわけをあげれば

1.07年5月の株主総会時に社長は上場維持の方針を宣言していた
2.下期偏重の旧作DVD-BOXの販売計画を行い上期での未達成から業績への不安を煽っていた。
3.収益が必然的に伸び悩む録画媒体の規格の移行時期をTOBの時期に選んだ。
4.豊富な現預金を持ちながら低迷する株価を自社株買いなどでてこ入れすることはまったくなかった。

結局バンダイビジュアルは今まで株価が低迷しても問題のない親会社へ向けた配当政策をとっていたに過ぎず、株主優待で少数株主を集めておきながらバンダイナムコが合併した後のグループの資金効率を優先して完全子会社化をたくらんだとしか思えない。
そもそもバンナムHDは60%の株式をもともと保有したままなので、東証上場廃止基準にまでTOBを進めれば時間の問題で上場廃止にすることができる。外国人投資家や投資信託・金融機関などの大株主がこのTOBに賛同するのかがTOBの成否の鍵を握っているのだが果たして…?

おそらく1株38万円ぐらいの価格が株主にとってもっとも記憶に残っている株価であるために、個人株主で不満を持たないのはここ数ヶ月の間に取得した株主だけであろう。ただ上記の不満は「株主に不誠実」ではあっても背任でもなければ違法でもないとは言えるのも確かだ。
法的手段に訴えても違法の証拠がないために効果はなく、不買運動や対抗TOBTOBへの不賛同でしか再考させることはできないのだろう。
ただ15%が応じてしまうと辛い。形勢は全く持って会社優位でこのままだと99%TOBは成立して終わることだろう。個人株主としては無念だ。