流血の日曜日

とうとう昨日米国証券会社リーマン・ブラザーズは救済されなかった。
日曜日に助からなければもはや破産法11条適用だろうと思ったとおりリーマンは破綻。
負債総額は6,130億ドル(日本円で約64兆5000億円)
つい3年前はライブドアMSCBを引き受けて利益をかっさらっていく典型的な外資証券としてその商売の利益にかける情熱は尊敬していたのだが、つぶれてしまってはどうにもならない。
ベアー・スターンズ不良債権の損失補填条項を米国に保証させてJPモルガンが救済したのに、リーマンは誰も助けられなかった。
ベアーは証券化ビジネスに強みがあったから救済する企業があったのだと解説するアナリストがいたが、実態は当然違う。
リーマンは不動産ローン証券化の旗手であった。自ら証券を組成していた以上棚卸残高も膨大で誰もそのリスクを負うことが出来なくなっていた。
数兆円の損失を引き受けることはどの金融機関でも困難だ。米国政府は破綻による混乱で生じる経済的損失と、不良債権引き受けとそれに伴う金持ち優遇批判のどちらが高くつくかを考えて見捨てたに過ぎない。
では破綻すると誰が直接にリスクの対価を支払うことになるのか?債権を保有している金融機関である。
しかも彼らがポジションとしてとっているデリバティブ金融派生商品)の決済がどうなるかも実際にはよくわからない。
ニュースでは既に社員が本社ビルから次々と退散している。規模が違えど山一證券と同じことが起こったのだが、どうも「社員は悪くない」とも思えない。
会社ぐるみで不動産バブルに全力投球したのだから失敗したときのリスクも負わざるをえないだろう。ハイリスクハイリターンの典型だ。

とりあえず明日はNYが急落するのに歩調を合わせて日経平均も下落するだろう。特に金融セクターを中心に。
私は金曜日の最後にリーマン救済の失敗の可能性も考えてみずほFGを2株だけ空売りしたがそれでカバーし切れるとも思えない。
憂鬱だ。