G社第10期株主総会
ゴンゾの株主総会に行ってきたので議事を掲載しておく。
ゴンゾ株主総会 6/26(金)10:00-11:27
1.開会の挨拶
・最初に08年度も大幅な赤字決算となったこと、
債務超過による継続企業前提に関する重要な疑義をかけらていることの謝罪
・株主数5,308人 発行株式総数233,743
・956名 201,635株分が出席もしくは郵送にて議決権行使
・監査役の記載内容についての決算内容の妥当の表明
・監査法人の監査適当は得られない為、報告なし。
2.事業報告
・アニメーション事業に原点回帰したリストラクチャリングの実施。
・市況の悪化に伴い将来の販売計画・販売可能性について厳格・保守的を実施し、従来計上していた棚卸資産、無形固定資産について棚卸評価減を実施。
これにより売上高6,332百万円、経常損失2,351百万円、純損失3,401百万円を計上
・セグメント情報の説明
・アニメーション事業
・オンラインゲーム事業
・設備投資の状況・資金調達の説明(第三者割当増資999百万円)
・子会社の処分状況
コア事業であるアニメーション事業以外を他社に売却
・その他の経営課題
いわかぜキャピタルを引き受け先とする第三者割当増資を実施。
しかし09年3月度に営業損失2,121百万円、経常損失2,351百万円、純損失3,401百万円を計上し債務超過状態を脱することができず、銀行借入の返済に支障のでる恐れあり。
銀行からの借入に関し、返済に遅滞が起きた場合には期限の利益を失い、即時の返済を求められる契約になっている。しかしながら現在一部の返済に遅滞が生じ当該条項に抵触している。
二年連続の債務超過により東証マザーズからの上場廃止が決定している。
・偶発債務について
09/03/31付けでゴンゾロッソ株式売却を実施したが、以前にゴンゾロッソ株を売却したファンド・企業から、売却時に契約されている株式買取請求を受けている。
パンドラサーガライセンスの地位譲渡に関する紛争・返還請求について
3.連結諸表について
・貸借対照表の説明
総資産の大幅な減少…資産売却・減損実施による大幅減
・損益計算書の説明
売上高7.6%の減少・昨年に対しては棚卸評価減が縮小したことによる売上総利益率改善するも大幅赤字。営業損失2,121百万円、経常損失2,351百万円、純損失3,401百万円を計上
4.議案説明
・第一号議案
ピーエー監査法人より二年連続の債務超過の状態から継続企業に関する疑義があり、継続企業としての決算資料に関して意見表明がされなかった。
これにより会社法にもとづく株主総会での決算書類の承認を得たい
会社側としては継続企業として正しく表記していると判断。
・第二号議案
発行可能株式総数を700,000株→934,972株へ(現在発行株式総数:233,743株)
・第三号議案
取締役一名選任(いわかぜキャピタルより一名)
5.株主からの質問
一人目
・今期(09年1Q)、咲-saki-の評判は良いけれどもシャングリ・ラとアラド戦記はもうひとつの出来なんだが、その経営責任の所在はどうなっているのか?
あと、咲〜sakiを作ってるクリエイターの皆さん、ほんとあの感心します。非常にいいクリエイター
の皆さんたちみたいなんで、そういう人たちがいい作品を作るようにバックアップしてください。
作品に関しては咲をお褒め戴いて大変ありがたいという。それ以外のところで厳しいコメントをいただいているが、そこは真摯に受け止めて更にいい作品、まさに咲のようになるような作品を作っていくべく頑張っていきたいと思う。
責任の所在だが、経営の責任という意味では執行役社長として唐澤がついており、それで、私の方が代表取締役副社長として代表取締役としての責任を会社全体の責任を取るという役割分担をしている。その中で制作等々の部分はやはり制作のトップをおいて、別の人間が管理する体制を取っており、ただ名前までは現時点では控えたい。
・銀行への借入金の返済義務違反やゴンゾロッソでの契約違反があるが、経営者の責任はどうなっているのか?
経営陣全員の責任、大きな赤字を出したことも含め、債務超過になったことも含め経営陣全員の大きな責任だと考えている。現時点ではこの危機的な状況をどうやって脱していくのかというところに、まずは経営陣全員が一丸となってこの危機的状況を脱するという所までをきちっとやり遂げて皆さんにいい作品を提供できる体制をもう一度構築しなおすというという所まで執行したいということで、今頑張っている。その後にまたメドが立った所で、その責任等々どういう形でとっていくのか考えていきたい。
二人目
・ブロードバンド対応の遅れなど減収要因に対し対策がなされていなかったのではないか?今後DVD販売をコア事業をするとして会社をどう立て直していくのか。
中国・東南アジアではインターネットでの有料配信事業に力を入れているがまだ違法サイト等に負けている。今後こういった事業は伸びていくと考えられるが、まだDVDの落ち込みをカバーできるところまではいっていない。当面は「ストライクウィッチーズ」や「ラストエグザイル」など確実な収益を見込める作品の続編など厳選して制作活動を行っていく。「アフロサムライ」など北米での展開も集中する。
・利益をあげているゴンゾロッソ株をなぜ手放したのか。
元々保有比率は55%であり、経営資源をアニメ事業に集中させるため財務的問題から譲渡した。
なお、契約したのが3/31当日で臨時株主総会にかける状態になかった。
・石川氏への貸付金の理由は何か。
個人的事情のため控えさせていただきたい。これにより利益を得た事実はない。
・ラストエグザイルの話があったが現在のゴンゾでは現行TV放映中のアニメから判断してリソース不足で作ることができないのでは?
クオリティ不足の作品があることは認識しており、リソースの配分に問題があると考えている。「ラストエグザイル」のような作品を手がけるにはデジタル部門が必要である。先般デジタル部門をキュー・テックに譲渡したと公表しているが、実質社内に機能を残したまま運営できるようになっている。制作ラインは絞込みクオリティの高い作品にして資源を有効活用したい。
三人目
・債務超過に陥っているが株主優待は継続するのか?優待制度は上場廃止後に変更されるのか?
株主優待制度は継続する。ホームページにも掲載しているが、ポストカードとゴンゾ作品のDVDを予定している。後から覆すこともない。
四人目
・発行可能株式数を増やすが分割を計画しているのか第三者割当を予定しているのか。
また、いつ実施する予定なのか具体的に説明して欲しい。
分割は考えていない。増資については現在交渉中につき公表は差し控えたい。
決定次第ホームページ等で開示を実施する。
・新任取締役の略歴が少なすぎてわからないので次回はより詳しく載せて欲しい。今回に関してもより詳しい経歴を説明してもらいたい。
現時点では申し上げることができないが、ファイナンスを専門で行っていた方であり、現状最も苦心しているファイナンスについて担当していただく。次回からより詳しい略歴をのせるように勤めたい。
・作品の黒字化について、いつ黒字化できるのかについてここで計画を開示して欲しい。
今期に関して営業利益は開示している通り赤字である。EBITDA(償却前営業利益)については黒字化する。唐沢社長の元リストラクチャリングを進めている。中期計画については策定したが、債務超過となることによる財務リスク、リーマンショック以降の市場の急速な悪化により中期計画の前提が崩壊している。現在申し上げることができない。
五人目
・新規事業について
現在の財務状況を考え、新規事業への投資は考えていない。しかしライブラリを活用して収益を生むことは考えており、ネット配信等で投資のかからない方法で実施したい。
・雇用を増やして制作本数を増やしてはどうか?
現時点ではアニメ業界では二年前のピークに対して4割減の需要しか存在しない為、当社のみでは検討が困難である。環境が好転すれば考えたい。
・地力はあるので東証一部上場までを視野にいれてがんばっていただきたい。
六人目
・タカラトミーがゴンゾロッソ株の15%を握ったように当社自体が他社の一部門に組み込まれることはないか?
現在資本増強を検討中であり、現時点その可能性があるかどうか自体不確定である。
・今回の会場経費等、もっと経費削減を行うべきだ。
真摯に受け止めたい。
七人目
・現在の債務超過にもなっている経営危機に際して、筆頭株主のいわかぜキャピタルは今後ゴンゾに追加の投融資をするのか?
今後の資本政策についてはあらゆる対策を検討中であり、今この場で申し上げられない。
八人目
・デジタル部門に関して
かつてデジタル部門は巨額の投資が必要であったが、現在ではテラバイトレベルのCGは個人でも制作可能なレベルとなっており、100%囲い込むことは重要でない。しかし今後メジャーとなる立体映像に関しては大きな投資が必要であり、一社では賄えない。以上からアウトソースしながら会社内部へ技術を残すためにキュー・テックさんとWIN-WINの関係を築くことにはメリットが大きい。
・借入金の返済について
09/03末の借入金に対して現在も借入の返済は滞っており、金融機関と返済計画のリスケジュールを検討している。
・第二号議案に関して70万株を追加発行しても債務超過から脱出できないのではないか?
増資だけではその通りで、事業の黒字化を含めて債務超過からの脱出を検討したい。
九人目
・ゴンゾオリジナル劇場アニメについて
セガと組んだものは中止、フジテレビとの件は絞込み対象となっており収益が得られるかどうかで検討中になっている。
・絞込みとは年に何本を指すのか?
本数を決めているのでなく、収益が得られると思える作品に限り制作を実施するつもりである。
・制作するアニメの絞込み・注力は、ハズしたときのリスクが高いのではないか?その場合リカバリできるのか?確実に失敗しない手法をどうとるのか?
基本的には売れた作品(ストライクウィッチーズ等)の続編を考える。コストを変動費化することにより削減しリスク回避に努める。
十人目
・売上に対する売上原価の割合が他社に比べても高すぎる。何ゆえにコスト高なのか示して欲しい。
アニメ業界の低迷により従来資産計上していた版権の減損が売上原価増に響いている。
・減損した金額を教えて欲しい。
6/3の業績修正に記載しているが、アニメ作品への出資金に関し保守的に事業計画を見積もったことによる損失378百万円を計上したこと、企画開発中の仕掛品のアニメの評価損289百万円を計上したこと、納期遅延により94百万円の損失が発生したこと、オンラインゲーム事業の売上未達により292百万円の損失がでたことが損失の原因となっている。残りは計画の中で織り込まれていたコストである。
十一人目
・役員の報酬について、3人で60百万円は従業員を半分にまで希望退職募集している中であまりにも過大ではないか?
昨年途中から減額しており、一定効果が出ていると考えている。
・副社長の会社からの借入に関して利益は得ていないというが、当社は債務超過の上、銀行返済が滞っている状態であり会社に多大な損害を与えている。返済計画を示して欲しい。
具体的返済スケジュールを申し上げられないが、三年程度で考えている。
・株式の交付費について
第三者割当増資を実施した際に999百万円の増資に対し、147百万円と15%近いコストが計上されている。何にコストがかかっているのか示していただきたい。
デューデリジェンス費用(法務・会計)に関して当社で負担したこと、投資銀行へのアドバイザリ費用などが発生した。
・唐沢社長は今回も取締役候補にあがっていないがなぜか?
以前申し上げたとおり、ご家庭の事情から取締役にはなれない。ご家庭の状況でもありこのままの状態とした。
・三番目の株式の交付費以外について全く理解できない。
一番目の報酬について全額返上しても損失額に全く足りない状態である。神経を疑う。
二番目の借入について、三年での返済というが銀行からはすぐさま返せといわれている。三年はあまりにも長いのではないか?
四番目の社長については現在もっとも大変な時期になれないことに疑問を感じるがこの体制で進めるのか?
一番目の報酬については真摯に受け止めたい。現状それぞれの役員の状況もあるのでこれ以上のコメントは控えたい。
二番目の借入についてはその通りであり、現在の返済スケジュールは会社との契約のものであるが、可能な限り早期に返済したい。
四番目の社長については家庭の事情が切迫しておりこれ以上申し上げられないのだが、ご理解いただきたい。
5.決議
すべて原案通り決議。