最近株価が堅調に推移というよりある一点「下落」をめざして進み始めたような感じである。4月半ばから4月末にかけての値下がり局面は元々毎年行われていることなので驚きに値しない。問題はその後に乱高下が始まったことである。現在日経平均は11,500円ぐらいで推移しているが、市場環境はきわめて悪い。


世間では中国経済が政府の金融引き締め、中小規模の製鉄業の淘汰を開始したこと、合衆国でIT中心に価格調整局面から抜け出せないこと、EUEU憲法の可否の国民投票でフランスとオランダが否決したことにより統合ムードが後退し始めたことなどをあげている。
しかしこれに対し、日本では株価収益率は向上を続け株価は昨年から全く上昇していない。(上下1割を変動しているだけ)つまり全体的に見れば上昇余地があることになってしまう。この為、日本国内では海外での目立った動きがないと方向感のない相場となり、中小注目株や増益の確実な銘柄・勝ち組とされる銘柄に投資が集中することになる。
つまり海外は景気後退に入ったようだが国内は輸出中心の利益計上とはいえ企業業績回復がコスト競争力回復というもっとも喜ばしい手段で行われたから、経済状況は悪いとも良いとも言えないのである。