中間決算の中身

これを待ち望んでいる人が日本に百人いるかどうか分からないが、中身を見て笑ってしまった。
今までなら棚卸の評価損で特別損失を出すときは、たとえ会計方針を棚卸保有年数を二年から一年へ変更したとしても「過去年度の会計処理変更に伴う損失」とはかかなかったのに、今回は棚卸保有年数を一年から半年へ変更したという同様の変化にも関わらず明記した。
実のところ特別損失の中身自体は変わっていないのである。毎年会計方針が保守的になっていっているだけで、何のことはなく過去の決算でリスクを全て顕在化することができていなかったのである。
しかし疑問なのは昨年ならばもう2億の評価損をだしても大勢に影響はなかったはずである。どうして会計士は更に保守的に会計処理することを求めたのか?原因は会計事務所が一時的に変更になったことにあるように思われる。確かにブロッコリーの販売するコンテンツは旬が短く一年を通じて販売するには無理のある商品が多い。半年と会計士が判断するのも無理はない。こういうことではないだろうか。だから未練たらしく「過去年度の会計処理変更に伴う損失」などと記載したのだと。


何はともあれ今後は当期に製造した棚卸の販売状況のみで廃却額が決定するから来期以降は廃却損のリスクは大幅に減少するだろう。
続いて他の指標である。
売上高・経常利益は増収増益で黒字転換を果たした。
累損があるので税務コストは外形標準課税等に限られる為、特別損失を足した純損失も理解の範疇。
この中では増収がトピックとなる。ここ数年間ブロッコリーは売上の低迷に悩まされており、東京都内での店舗削減を迫られてきた。
昨年度でそれが終了し、秋葉原本店での売上集中政策が実を結んだ形なのだろう。
新カードゲームのディメンションゼロの投入効果よりはそちらの方が今後の収益にとって安心感が持てる。
ただ、秋葉原本店での売上は自然と頭打ちになる。少なくとも売上倍増などは無理なのだ。
来年度以降黒字企業として安定する可能性は秘めているが、よほどのヒットがないかぎりPERが投資適格にまで下がることはない。
これは増資したことによる当然の結果でもある。なので私が保有するのはテクニカル的に購入可能となったときか、権利確定前に限られる。
それさえ配当金がでるようになる数年後にはできなくなるかもしれない。