メインバンクの問題

 他の非上場企業であればメインバンクがここまでの粉飾を見抜けないということはなかっただろう。
 メインバンクの中国銀行に対して10.67%の株式をグループで保有する筆頭株主であることが事態の表面化の遅れにつながっていた。それだけ林原は中国銀行筆頭株主という立場を無言で享受できていたといえる。しかも問題はそれにとどまらず、担保設定も遅れており会社整理ギリギリのタイミングで行われたに過ぎず、今後大幅な債権放棄を金融各社は迫られることになる。
 古い企業だからこそ、情報を押さえているメインバンクに手綱を締めてもらうことが必要だったのだが。