なぜシャープだけ今年度も大幅赤字なのか?

問題はなぜシャープは昨年度に固定資産減損しなかったか?ということである。
シャープは従来SDPから液晶パネルを市況よりは割高な価格で購入し、SDPは営業利益を出していた。つまりSDPの収益から見れば固定資産減損の必要がなかったことになる。
しかし実態はと言えば11年度の特別損失で地震等による操業度減損失を計上していたように減価償却費を特損計上していただけではあった。
シャープの目論見では鴻海へのパネルの販売で4月から操業度は80%を越すようになるというものであったが、裏を返せば鴻海が買ってくれなければ、ラインは停止することになるわけである。実際鴻海は1Qの終わりにSDP株買収が行われたこともあり、1Qでのパネル購入は進めず、SDPの1Q操業度は30%程度となった。
当然SDPは1Qで大幅赤字となりシャープの液晶部門の営業損失は600億を越えた。